「人生100年時代っていうけど、健康に暮らすにはどうしたらいいの?」
「病気や介護になると自分の思い通りの生き方はできないの?」
こんにちは!人生100年現役の野望を持つ、
アラフィフ現役ワーママの実体験ブログ真昼のワタシ運営者のMoyoです♪
日頃から、人生100年現役のためにはどうしたらいいんだろうと考えている私。
今回、要介護5で在宅医療を受けている父の介護について勉強するため、区の医師会等が共同で主催した「在宅療養普及啓発講演会」を聴いてきました。
何だか堅い話でつまらなそう!?とお思いかも知れませんが・・・
今回、メインで講演されたのは、首都圏最大級の在宅医療ネットワークの理事長で、全国レベルでも注目の「佐々木淳医師」。
大きなネットワークの理事長って、どんなお年かと思いきや、、、
なんと、1973年生まれ!
講演は、しょっぱなからショッキングな話が。
歳をとればだれもが要介護になるし、だれもが認知症にもなる!
在宅医療の話に加え、親の介護待ったなしの世代に向けても、「親のため、自分の将来のために、今どうすべきか」の示唆をいただきました。
佐々木淳医師から学んだ、私たちが「自分ゴト」として知っておきたい話。ぜひ最後までお読みください。
まず初めに、在宅医療と佐々木淳医師について、簡単にご紹介します。
在宅医療と佐々木淳医師とは?
そもそも、佐々木先生が従事している在宅医療って何のこと?
在宅医療は、人生の終末期に利用されるケースが多く、まだ言葉に馴染みのない人も多いと思います。
医者で理事長って聞くと・・・
個人の事業として開業した、いわゆるお坊ちゃん先生?(失礼!)
かと思いきや、、、
医者として診察を行いながら、日本全国の在宅医療普及に燃えるフロントランナー。
在宅医療は、24時間365日の対応が必要なので、医師の負担が大変重い分野。
しかも、超高齢化社会が進む中、病院のベッド数は増えないため、インフラとして人生100年時代に必須。
佐々木淳医師は、32歳の時、これからの時代には在宅医療が必要と考え、「医療法人社団悠翔会」を設立。
現在、首都圏最大級にネットワークに。
さらに、講演会や、「在宅医療カレッジ」という医療・介護多職種のための学びのプラットフォーム運営等、全国の関係者を巻き込んで在宅医療を広めようと尽力されています。
「在宅医療カレッジ」の内容を掲載した本はこちら。我が家でも購入しました。
「在宅医療実践ガイドブック」という本も買いました。
在宅医療を受けている父の介護に、とても役に立ちそうです。
では、佐々木淳医師が講演で語ってくださった、「人生の最期はどうなるか」についてご説明しましょう。
佐々木淳医師から学ぶ!長生きすると最期はどうなるの?
人生の最期って、考えたくないと目を背ける人が多いと思いますが・・・
どう生きたいかを考えるうえで、知っておきたいコト。
佐々木先生は、3,000人以上の死亡診断書を書いた経験から、理想と現実のギャップを教えてくださいました。
まず、人間の機能はどこから衰えるか。
人間の機能には、次の3つがあります。
- 身体的機能
- 社会的機能
- 精神的機能
身体的機能は20歳をピークにずーっと下がります。
(社会的機能と精神的機能は中高年でも上がりますが、高齢になると下がります)
多くの人は、人生の終末期になると、あらゆる機能が下がった「療養の時期」が訪れます。
その期間は約10年!(長っ)
そして驚きなのが、亡くなり方(;’∀’)
- 健康のまま老衰のパターンは、全体のたった5%。
- 事故や突発的な病気による突然死は15%。
そして、疾病モデルのほとんどが「亡くなる前の10年」を病気や障がいとともに生きるのです。
平均寿命は延びて健康寿命も延びたけど、療養の時期が約10年は変わらなかったことを、データでも示してくださいました。
そして、ショッキングなのは、
歳をとればだれもが要介護になり、認知症になる
ということ。
佐々木医師によると、「疾病モデル」で要介護になるのは、実は病気そのものよりも衰弱によることが多く。(これは大事な話なので、また後ほど伝えます!)
また、「認知症」については、脳は長く生きれば必ず認知症になるもの。
つまり、「認知症になれるまで長生きできる」ということだそう。
健康→老衰を目指したいけど、現実は、ほとんどの人が病床で過ごしているんですね( ;∀;)
では、最期まで健康に暮らすにはどうしたらいいのか、見てみましょう。
佐々木淳医師から学ぶ!最期まで健康で幸せに暮らすには?
疾病パターンに陥るのは、必然もあれば偶然も多いもの。
自分では防ぎきれない病気も多いですよね。
でも、病気や障がいがあっても、健康的に幸せに生きることは可能、と佐々木先生は言います。
病気や障がいがあっても幸せに生きることは可能!?
例に挙げたのは、宇宙研究で有名なスティーブン・ホーキング博士。
彼は、神経の難病ALSを患いながらも、2度も結婚。
世界的に活躍しながら、人生を楽しんでいました。
日本では、病気や障がいの人には「何かあったら大変」と「させない」動きが強すぎるんだそう。
もう1つ、佐々木医師の印象に残っている患者さんの例も。
57歳の肝細胞がんの男性は、がんの病院での治療が終了し最終段階に入り・・・
ITの仕事をしている人でしたが、最後まで仕事がしたい!と、3か月かかる仕事を前金で受けて。
やり遂げるため、ホームセンターでベッドや机を買って、在宅医療に切り替えし、亡くなる3日前まで全力で仕事を完成し納品。
亡くなられた後、看取った佐々木先生のもとに、息子さんから手紙が。
「自宅で最後の力を振り絞って仕事をやりきったお父さんの生きざまが、カッコよかった」と。
病気に隠れて生きるのではなく、「本人が自ら選択した生活や人生を送ること」もできるって、すごく励まされます。
次に、先のパートで触れた「病気そのものよりも怖いこと」の話です。
高齢になってから怖いのは病気よりも衰弱!
怖いのは、病気よりも衰弱だそう。
東大の研究では、10日入院したら7年分老化するとも言われているそうです。
(我が家でも、父が入院した際は、衰弱を恐れて、処置が済んだらすぐ退院させたっけ・・・)
高齢者にとって入院リスクが非常に高いことは、家族として知っておきたいこと。
何日も病院にいると、衰弱によって「生きる気力を失う」ことも!
病院の医師は「病気の治療」してくれますが、その後の衰弱までは関与してくれません。
在宅で見れない場合もあり難しいですが、「長く入院すると衰弱リスクが高い」ことを知っておく!
病院から言われるままでなく、かかりつけ医に相談したり、在宅医療やケアで何とかなるかもという発想を持つことは、後悔しないために大切。
衰弱に関連して、佐々木医師が例に出したのは、、、
サザエさんに出てくる磯野浪平と、高橋克典、唐沢寿明が、今年同じ年齢(54歳)ということ!
磯野浪平は高度成長期のサラリーマン。
当時と比較すると、10年ごとに5歳若返っているといいます。
でも、加齢に伴って、筋肉量は1年で1%減少するのも事実。
同じ54歳でも、加齢に伴う筋肉量減少にそのまま流されていると・・・
老け込み、衰弱の一途(笑)
佐々木医師によると、高齢者が衰弱しないために気を付けることは、次のことだそう。
- 貯筋(ちょきん)
→筋肉をつけること。高齢なら皮下脂肪でもOK! - しっかり食べること
→いわゆる「健康的」な食事だけではダメ。高齢者は特に、1にカロリー、2にタンパク。
1.については・・・
BMIを意識して、痩せている方がいいのは若いうち。(40代の佐々木医師も、BMI22だそう)
高齢になってからは、食事量と筋肉量低下による負のスパイラルが!
なんと、高齢者は、太っていた方が安全なんだそうです。
男性は、BMI27.5~29.9
女性は、BMI23~24.9
という位に、年齢とともに太目になっていくのがマル。
2.については・・・
いわゆる野菜中心の「健康的な食事」では運動しても筋肉がつきにくく、足りない。
高齢者にとっては、こんな食事だって、悪くないそう。
→390キロカロリー、タンパク質23g
Y家の牛丼
→760キロカロリー、タンパク質28g
高齢者は太っていた方が安全。
年齢とともに、健康的な食事からカロリーとタンパク重視の食事にシフトすべし!
では次に、「いざという時に備えるにはどうしたらよいか」についてです。
いざという時に備えて今からやっておきたいこと
高齢や不測の事態になってから慌てないように、今からやっておきたいことは・・・
人生の根っこの強化!
主に次の3つです。
- 家族を大切にしつつ年の離れた友人を持つ
- 生きがいを持つ
- 社会とのつながりを持つ
一つずつ見てみましょう。
家族を大切にしつつ年の離れた友人を持つ
家族や友人がいない「孤独」なケースは、死亡率が2.5倍!
孤独は孤立とは違います。
独居(孤立)でも死亡率は上がりませんが、同居でも一人で食べる孤食だと死亡率は上がるそうです。
長期的に考えるべきは、年の離れた友人を持つということ。
次に、生きがいを持つことについてです。
生きがいを持つ
医学的に、はっきりと言えることは・・・
- 生きがいのある人は長生き
- 人生の目的があると要介護になりにくい
- 人生の目的は認知症の進行を抑制する
だそうです。
長く生きると誰でも要介護になるし、誰でも認知症になるけれど、生きがいや人生の目的があると違うんですね\(^o^)/
次に、社会とのつながりについてです。
社会とのつながりを持つ
「社会とのつながりを持つべき」って、よく言われることとお思いかも知れませんが・・・
社会とのつながりが健康寿命を決めるといっても過言ではないそう。
仕事をすることやボランティアは、運動よりも効果があるとも。
人生100年時代、有償無償にかかわらず、「役に立つような仕事をし続ける」ことが、健康で長生きできる秘訣だと感じました。
最後に、「人生会議」について書きます。
「人生会議」って何?
終活ノートを書く人が多くなっていますが・・・
自分が終末期にどんな状態に置かれるかがわからない中で、終活ノートだけで済ませるのは厳しいそう。
佐々木淳医師が今後大事になってくると仰ったのは、人生会議。
人生会議とは、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有すること。
専門用語では、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)といいます。引用元: 厚生労働省HPより
終活ノートに自分で書くのもいいけれど、最終段階のことは書いて済むわけではないそう。
元気な時からいろんな人と関わって、話をして、「この人はこういう人だ」とわかってもらうこと。
そして、家族や社会とのつながりを深めながら、いざという時は家族や医療・ケアチームを交えた人生会議で「人生を生ききるためにどうサポートするか」を決めてもらう。
終活ノートに「自分で書く」だけでは足りない。
その時の状況に合わなかったり、自分が知らない最善の方法があるかも知れないから。
では最後に、まとめてみましょう。
まとめ
この記事では、在宅医療普及活動のフロントランナーである佐々木淳医師の講演会から学んだことについて書きました。
→80%の人が、人生最後の10年を病気や障がいとともに過ごす。
また、高齢になればだれもが要介護になるし、だれもが認知症になる。
★最期まで健康に暮らすには?
→病気や障がいがあっても自分の人生を生きることができれば幸せ。
また、高齢になってからは、病気よりも衰弱が怖い!
高齢者は10日の入院で7年老化!
貯筋をすること、高齢になったら体重を増やすこと。
★いざという時に備えて今からやっておきたいことは?
→
家族を大切にしつつ年の離れた友人を持つ
生きがいを持つ
社会とのつながりを持つ
★人生会議とは?
→家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、人生最期の過ごし方を決めること。
佐々木淳医師が普及に尽力されている「在宅医療」。
入退院を繰り返して病院で亡くなる「疾病パターン」がやむを得ないこともありますが、在宅医療を活用して自宅でやりたいことをしながら最期を全うするのも、将来の一つの選択肢に。
以上、『佐々木淳医師に学ぶ!知らないと損する人生100年時代の健康と在宅医療』でした。
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